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【破船房の活動について】
破船房は、文筆家・編集者の仲俣暁生による個人出版プロジェクトです。自身による文芸評論をはじめ、思い立ったときにすぐ本を出せる「軽出版」を行うための仕組みとして、2023 年春の文学フリマ東京を機会に活動を始めました。販売は基本的に書店への直販とウェブで行います。関心のある方は破船房のSNS アカウント(X:hasenbo_passage)までご連絡ください。
【先行予約特典付き】東アジアから読む世界文学──記憶・テクノロジー・想像力
¥2,420
予約商品
【先行予約特典付き】11月30日までにご予約いただいた方には、『もなかと羊羹』印刷版を同梱します。不要の方はメッセージにてご連絡ください。(すでに持っておられる方も対象です) ---------------------------------------------- 2024年のノーベル文学賞を受賞した韓国の作家ハン・ガン、中国の「科幻小説」を代表する劉慈欣や郝景芳、台湾の新世代作家・呉明益といった東アジアの代表的な作家は何を描き、伝えようとしているのか。地域とジャンルを超えて、21世紀文学における東アジアの作家やその作品を大胆に位置づけ、同時代の日本の現代小説ともリンクさせた意欲的な書評集。(B6判・136ページ 無線綴じ2200円+税) 【本書で取り上げた本】 第一章 ハン・ガン『別れを告げない』(斎藤真理子:訳、白水社)/ハン・ガン『すべての、白いものたちの』(斎藤真理子:訳、河出書房新社)/ケン・リュウ編『折りたたみ北京──現代中国SFアンソロジー』(中原尚哉、大谷真弓、鳴庭真人、古沢嘉通:訳、早川書房)、劉慈欣『三体』(立原透耶:監修、大森望、光吉さくら、ワン・チャイ:訳、早川書房)/郝景芳『1984年に生まれて』(櫻庭ゆみ子:訳、中央公論新社)/郝景芳『流浪蒼穹』(及川茜、大久保洋子:訳、早川書房)/呉明益『雨の島』(及川茜:訳、河出書房新社)/四方田犬彦『戒厳』(講談社)/斎藤真理子『韓国文学の中心にあるもの』(イースト・プレス)/黒川創『世界を文学でどう描けるか』(図書出版みぎわ) 第二章 イアン・マキューアン『贖罪』(小山太一:訳、新潮社)/ウンベルト・エーコ『プラハの墓地』(橋本勝雄:訳、東京創元社)/ジュンパ・ラヒリ『その名にちなんで』(小川高義:訳、新潮社)/阿部和重『シンセミア』(朝日新聞社・講談社文庫) リチャード・パワーズ『われらが歌う時』(高吉一郎:訳、新潮社)/オルハン・パムク『雪』(和久井路子:訳、藤原書店: 宮下遼:訳、ハヤカワepi文庫)/ハン・ガン『少年が来る』(井手俊作:訳、クオン)/絲山秋子『離陸』(文藝春秋)/リチャード・フラナガン『奥のほそ道』(渡辺佐智江:訳、白水社)/呉明益『複眼人』(小栗山智:訳、KADOKAWA)
もなかと羊羹──あるいはいかにして私は出版の未来を心配するのをやめて軽出版者になったか。
¥880
《一匹の妖怪が出版業界を歩きまわっている——軽出版の妖怪が》 2023 年秋に発表された「軽出版者」宣言は、翌年になってマルクスの『共産主義者宣言』になぞらえてこう嘯きたくなるほど広範囲に波紋を投げかけた。編集者歴40 年の著者はなぜ「軽出版」を始めたのか。その仕組みは書き手にとってどんな意味があり、実際にどうやればいいのか。「宣言+エッ セイ+虎の巻」の三層構造でお届けする、実用的でエモーショナルな「軽出版」マニフェスト!(A6判・44ページ・無線綴じ) 《目次》 ・軽出版者宣言 ・もなかと羊羹 《付録 軽出版の仕組み はやわかり図解》 ・秘本・軽出版 十ヶ条 ・あとがき "軽出版は、書き手が書くことの自由を取り戻すための仕組みでもある。破船房というレーベルでは、とりあえず自分の書いた文章を少しずつ本にしていくつもりだけど、この仕組みでもよいと考えてくれる人の文章やその他の作品も形にしていきたい。 「軽出版」や「軽出版者」は、私一人だけの言葉にしたくない。 臆することなく、軽々と、ヘヴィな中身の本を出していこうよ。 これが私の軽出版者宣言である。" ──「軽出版者宣言」より"
ポスト・ムラカミの日本文学[改訂新版]
¥2,200
2002 年に刊行され、ながらく絶版だった幻の名著を完全復刊! 村上春樹と村上龍はそれまでの日本文学をどのように変えたか。二人の「ムラカミ」に続く世代の作家──保坂和志、阿部和重、町田康、吉田修一、堀江敏幸、星野智幸、赤坂真理はどのように文学を刷新したか。22 年前の本なのに、いまもいちばんあたらしい、現代日本文学理解のための最良の副読本。 (B6 判・136 ページ 無線綴じ2000 円+ 税) 目次 はじめに(2002 年) 第一章 村上春樹と村上龍── 70 年代後半という時代 第二章 「ポップ文学」と「ポストモダン文学」── 80 年代文学の迷走 第三章 保坂和志と阿部和重── 90 年代前半の「風景」 第四章 「J文学」の廃墟を超えて── 90 年代後半のリアル 第五章 21 世紀日本文学の行方 二十二年後のあとがき(2024 年) ◎本書で取り上げられている主要作品 村上春樹『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『神の子どもたちはみな踊る』、村上龍『限りなく透明に近いブルー』『コインロッカー・ベイビーズ』『愛と幻想のファシズム』、高橋源一郎『さようなら、ギャングたち』『日 本文学盛衰史』、保坂和志『プレーンソング』、『この人の閾』、阿部和重『アメリカの夜』、『インディヴィジュアル・プロジェクション』『ニッポニアニッポン』、堀江敏幸『郊外へ』、吉田修一『最後の息子』『パレード』、星野智幸『最後の吐息』『嫐嬲』、高見広春『バトル・ロワイアル』、黒田晶『メイド イン ジャパン』etc...
失われた「文学」を求めて|文芸時評編
¥2,700
【内容紹介】 日本の文芸シーンは現在、まごうことなく沈滞している。だがその沈滞は、小説家が書くべきことを失ったからではない。書くべきことがありながら、そこから目を背けているか、書きうる技能あるいは勇気が欠如しているからだ――。 政治を語る言葉を失った日本の小説、震災後文学が崩壊した「美しい顔」盗用問題、ポストモダン文学から「ド文学」への退行、新自由主義による〈鬱〉からの〈恢復〉、「新潮45」休刊事件、中国SFの台頭、そしてコロナの時代の文学とは……。批評なき時代に「文学」の未来は存在するのか? 取り上げた小説は50作品以上! 小説の「現在」と格闘し続けた45カ月! 2010年代を俯瞰し2020年代の潮流を先読みする最強の文芸時評かつ小説ガイド! 【著者プロフィール】 仲俣 暁生 (ナカマタ・アキオ) 評論家・編集者。1964年、東京生まれ。「シティロード」「ワイアード日本版」「季刊・本とコンピュータ」などの編集部を経て、現在はフリーランス。著書に『ポスト・ムラカミの日本文学』(朝日出版社)、『極西文学論―Westway to the world』(晶文社)、『〈ことば〉の仕事』(原書房)、『再起動(リブート)せよと雑誌はいう』(京阪神エルマガジン社)、『失われた娯楽を求めて―極西マンガ論』(駒草出版)など、共編著に『「鍵のかかった部屋」をいかに解体するか』(バジリコ)、『グラビア美少女の時代』(集英社新書)、『ブックビジネス2.0―ウェブ時代の新しい本の生態系』(実業之日本社)、『編集進化論―editするのは誰か?』(フィルムアート社)など。 ◉発売日:2020年10月6日 ◉ブックデザイン:ミルキィ・イソベ(ステュディオ・パラボリカ) ◉造本:四六判・並製・344頁 ◉ISBN978-4-908624-10-0 C0095 【目次】 ■はじめに:文学(へ)のリハビリテーション ■文芸時評――失われた「文学」を求めて ▼政治を語る言葉を失った日本の小説 村田沙耶香『コンビニ人間』 崔実『ジニのパズル』 ▼単なる政権批判や反原発小説ではなく 黒川創『岩場の上から』 ▼「ゾンビ」ではなく「武者」を! 古川日出男:訳『平家物語』 羽田圭介『コンテクスト・オブ・ザ・デッド』 ▼孤軍奮闘で書き継いだ「新しい政治小説」 星野智幸『星野智幸コレクション』全四巻 ▼「読む人」「書く人」「作る人」のトライアングル 長谷川郁夫『編集者 漱石』 渡部直己『日本批評大全』 ▼現代におけるフォークロア 村上春樹『騎士団長殺し』 ▼ポストモダンの行き止まりとしての「ド文学」 又吉直樹『劇場』 ▼「中核市のリアリズム」が出会った王朝物語 佐藤正午『月の満ち欠け』 ▼日本を迂回して世界文学へ 東山彰良『僕が殺した人と僕を殺した人』 ▼「震災後」の現代文学の見取り図 限界研:編『東日本大震災後文学論』 「文藝」二〇一七年・秋季号 ▼自分自身の場所を確保せよ レベッカ・ソルニット『ウォークス――歩くことの精神史』 ▼迎撃に失敗した昭和・平成の男たち 橋本治『草薙の剣』 ▼現代文学の次の「特異点」とは? 上田岳弘『キュー』 ▼「パラフィクション」と「ハード純文学」の間に 佐々木敦『筒井康隆入門』 小谷野敦『純文学とは何か』 ▼プロテスタンティズムの精神 松家仁之『光の犬』 ▼ポストモダニストの「偽装転向宣言」か? いとうせいこう『小説禁止令に賛同する』 ▼行き場を失った者たちが語る絶望の物語 星野智幸『焰』 ▼文芸が存在するかぎり終わることはない戦い 古川日出男『ミライミライ』 ▼現代中国のスペキュレイティブ・フィクション ケン・リュウ:編『折りたたみ北京――現代中国SFアンソロジー』 ▼不可視の難民たちと連帯するために カロリン・エムケ『憎しみに抗って──不純なものへの賛歌』 多和田葉子『地球にちりばめられて』 ▼小説にとっての勇気とフェアネス 古谷田奈月『無限の玄』 ▼「震災(後)文学」という枠組みの崩壊 北条裕子『美しい顔』 ▼批評が成り立つ場としての「うたげ」 三浦雅士『孤独の発明――または言語の政治学』 ▼マンガによる「漫画世代」への鎮魂 山本直樹『レッド 1969~1972』 ▼「政治と文学」はいま、いかに語りうるか 赤坂真理『箱の中の天皇』 ▼「想像力」よりも「小説的思考力」を 「新潮」二〇一八年一二月号・特集「差別と想像力」 ▼ポスト冷戦時代に育った世代の想像力 ミロスラフ・ペンコフ『西欧の東』 ▼韓国にとっての「戦後」 ハン・ガン『すべての、白いものたちの』 ▼批評家が実作に手を染める時代とは 陣野俊史『泥海』 ▼新自由主義からの生還と再起 マーク・フィッシャー『資本主義リアリズム──「この道しかない」のか?』 絲山秋子『夢も見ずに眠った。』 ▼元号や天皇(制)の無意味を語るために 「文藝」二〇一九年夏季号 古谷田奈月『神前酔狂宴』 ▼「改元の後、改元の前」に芥川の幽霊が語ること デイヴィッド・ピース『Xと云う患者――龍之介幻想』 ▼空疎な「日本語文学」論から遠く離れて リービ英雄『バイリンガル・エキサイトメント』 ▼中国大河SFは人類滅亡と革命の夢を見る 劉慈欣『三体』 ▼没後二〇年、「妖刀」は甦ったか? 平山周吉『江藤淳は甦える』 ▼神町トリロジーの「意外」ではない結末 阿部和重『Orga(ni)sm』 ▼タブーなき世界に「愛」は可能か ミシェル・ウエルベック『セロトニン』 ▼森の「林冠」は人類の精神をも解放する リチャード・パワーズ『オーバーストーリー』 ▼寡作な天才SF作家、一七年ぶりの新作 テッド・チャン『息吹』 ▼受け手のないところに打たれたノックを拾う 加藤典洋『大きな字で書くこと』 ▼友の魂に呼びかける言葉 崔実『pray human』 ▼「当事者研究」が投げかける問い 長島有里枝『「僕ら」の「女の子写真」から わたしたちのガーリーフォトへ』 ▼政治と文学の乖離を示すシミュレーション小説 李龍徳『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』 ▼「コロナ後文学」はまだ早い パオロ・ジョルダーノ『コロナの時代の僕ら』 テジュ・コール『苦悩の街』 ▼国を失ったHirukoたちが〈産み〉だすもの 多和田葉子『星に仄めかされて』
その後の仁義なき失われた「文学」を求めて【新装版】
¥1,540
2023年春の文学フリマ東京36で破船房レーベルの第一弾として発売した現代文学論集が新装版として復刊しました! 2020年代前半の世界と日本の文学地図を理解するのに最良のガイドブックです。 【本書で論じられている作品/作家】 ・坪内祐三『みんなみんな逝ってしまった、けれど文学は死なない。』(幻戯書房) ・黒川創『ウィーン近郊』(新潮社) ・桐野夏生『日没』(岩波書店) ・スティーブン・グリーンブラット『暴君』(岩波書店) ・マーガレット・アトウッド『獄中シェイクスピア劇団』(集英社) ・郝景芳『1984年に生まれて』(中央公論新社) ・荒川洋治『文学は実学である』(みすず書房) ・アンナ・バーンズ『ミルクマン』(河出書房新社) ・橋本治『人工島戦記』(集英社) ・リュドミラ・ウリツカヤ『緑の天幕』(新潮社) ・宇佐見りん『くるまの娘』(河出書房新社) ・古谷田奈月『フィールダー』(集英社) ・大江健三郎
橋本治「再読」ノート
¥1,540
2019年に惜しくも世を去った小説家、橋本治の中期から後期の評論的エッセイを軸に読み解き、彼の「思想」に迫る試論です。「再読」の対象としたのは『浮上せよと活字は言う』、『江戸にフランス革命を!』、『ぼくたちの近代史』、『宗教なんて怖くない!』、『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』、『小林秀雄の恵み』など。 (B6判・無線綴じ・80ページ)